今回からついに4章に突入
次の説明の正誤を述べよ。
1)企業の持続可能な成長率とは、新株を発行せずに達成できる最大の売上高成長率である。
2)企業が多額の損失を計上している際には、株式市場からいつでも新しい資金を調達することができる
3)自社株買いによって通常EPSは増大する。
4)企業が自社の株式を買い戻すのは、株価が過小評価されていると経営者が考えているからである。
5)急速に成長している企業だけが成長の管理に関する問題を抱えている。
6)成長を加速することにより株価も上昇する。
【自分の解答】
1)持続的な成長率と、新株を発行するかどうかは直接的な関係はない。
2)企業の損失の性質が問題で、明らかに構造的問題が発生して、継続的な損失が予想されている場合、株式市場からの資金調達は難しくなる。
仮に損失が発生していても将来の成長が見込める場合、株価はその見込み分まで反映するので調達することが容易になると考えられる。
3)利益に変化がなく、株式の数が減少するので当然EPS 一株あたりの利益は増加する。
4)必ずしもそうではない、余剰資金の有効な投資先が見つからない場合、株式を買い戻すことにより、株主へ利益還元する場合が多い
5)急速に成長する企業ほど管理は難しくなると考えられるが、基本的に管理に関する問題はどのような企業にも継続的に発生するのが普通である。
6)正しい、成長を加速すると成長率の増加速度も株価に反映される可能性があるので株価は上昇する可能性が高い。
【本の解答】
1)誤り。企業は売上高当期純利益率、総資産回転率または財務レバレッジの上昇、もしくは配当の削減により、持続可能な成長率を上回る成長を達成することができる。
問題はこのような変化を起こす企業の能力に限界があるということである。
2)誤り、アマゾンドットコムのように、投資家受けする魅力的な企業は営業損失を計上していても資本を調達することが可能である。
従来型の企業はそうはいかない。
3)正しい。
自社株買いを行うと発行株式数が減少し、EPSが増大する。
しかし、自社株買いに要した資金にはコストが発生し、利益が減少するため、EPSも低下する。
ほとんどの場合、前者の効果が後者を打ち消すため、自社株買いを行うとEPSが増大する。
4)正しい調査結果によれば経営陣のほとんどがほぼ常に自社の株式が過少評価されていると信じている。
過小評価されている自社株買戻しは企業の経営資源の有効活用であり、残りの株主を利するものである。
5)誤り。
この章の主要な論点の一つは、高成長企業より低成長偉業のほうが目立たないがしばしば深刻な成長の管理の問題を抱えていることであった。
6)誤り。
コストを上回る収益率を得られる「よい」成長は株価を上昇させる。コストを下回る収益率しか得られない「悪い」成長は価値を破壊するため結果株価の下落を招く。
【次回の問題】
前章の図表3-1はR&Dサプライズ社の1997年から19990年にかけての財務諸表であり、図表3-4は2000年の予測財務諸表である。この表の情報を用いて次の設問に答えよ。
1)R&Dサプライズ社の1997年から2000年までの隔年の持続可能な成長率を計算せよ。
2)同社の持続可能な成長率を、同期間の売上成長率の実勢と予測とを比較すると、R&Eサプライズ社はどのような成長の管理に関する問題に直面しているか?
3)同社はこれからの問題にどのようい対処してきたか?当該期間中に同社が講じた成長の管理に関する問題への対策には難点も認められるであろうか?難点があったとすれば、それにはどのようなものであるか?
4)将来の成長の管理について、経営者にとってどのようなアドバイスをするか?
【おまけ】
ゴールデンウィークを使って大勢のボランティアが被災地での活動を希望しているというが、いかがなものか?
現在、一応の落ち着きを取り戻した被災地にとって次の課題は雇用の問題である。
津波により職を失い失業給付を受ける人が4万人を越すという。
もしボランティアの人がやる活動があるのなら、失業中の人にその仕事を給料を国が支払って行うほうが、職を失った人が立ち直るために必要なことであると思うが?
どうでしょうか?