第八章は物語の最終章、ドラッカーの「マネジメント」に関して具体的に引用されている場所はない。
残念ながらないのである。
仕方ないので、物語について分析し、解説する。
「後輩の成長」
少々無理はあるが、みなみは親友の夕紀の死で、自分自身に自信を失い、野球部員の前から逃げ出してしまう。
その後を追いかけるのが、一年生マネージャーの文乃。
みなみは文乃から「みなみさん逃げちゃダメです」といわれ、連れ戻される。
知らないうちに、育てていたはずの下級生に諭される。人材が育つときこそ組織が強くなるときだ。
なでしこジャパンもそうだった。
実力以上の力をだすとき、今まで引っ張られる立場だった人間が一人前になるときでもある。
「有利さが有利さを呼ぶ」
次郎の調子の良さを知っていた慶一郎は9回二死でまさかのセーフティーバント
相手がミスをして、ツーアウト二塁 一塁が空く
調子のよい 次郎を相手バッテリーは敬遠
この判断はどうか? ふつう高校野球なら、勝負いやプロ野球でも勝負だろう。なぜならみすみす、逆転のランナーを出してしまうのだから。
長打を仮に打たれたとしてもまだ同点という場面。ましてやツーアウト これがノーアウトならアウトの取りやすいようにベースを埋めるという手もある。
しかしここは物語。すかさず監督は一塁ランナーに足の速い朽木文明を起用する。
この采配も微妙。 普通は二塁ランナーを交代する。2塁ランナーがピッチャーの慶一郎で交代できないなら、同点で延長になることを考えているので、
調子のよい、次郎を変えることも通常はしないだろう。
しかしここは物語。
朽木がリードすることで、相手にプレッシャーがかかる。
祐之助がここで「むかしのみなみのエピソードを思い出し」思い切り空振り。
次の球がヒット。
朽木がホームインして逆転 するというストーリー
勝つときはこういうもの。何かを持っている。有利な状況が次の有利な状況を生み勝利へとつながる。
自分たちの強みで勝負できるとき奇跡が生まれる。
【おまけ】
地デジへの切り替えが思ったよりあっさりと終了した。大騒ぎしたわりにはこれといった事も起こらなかった。
こんなことなら、もっと短い時間で切り替えることも可能だったのではないか?
せっかく、地デジに切り替わったが、テレビの全盛期はすでに過去のもの。
今や、PCやスマートフォン、アイパッドなどに主役の座を奪われつつある。
常識的に考えても。
インフラはネット中心に整備する方が合理的だし、利用者にとっては低額でたくさんのサービスを受けることができる。
ネットなら遠くの国のテレビ放送もみることができるわけだし、地デジが生き残るとは考えにくい。
ニコニコ生放送などの、隙間を狙った放送も増えてくるだろうし、数年すれば映像の質も番組の質も大幅によくなることだろう。
皆が、同じ番組を見て、共通の話題がたくさんあった過去が懐かしい。