1)頼みごと百対一の法則
人から何かを頼まれたときは、出来る限り引き受けるべきだ。その方が距離が一気に縮まっていく。こちらの意向も、通じやすくなる。引き受けるのに足る人だったかどうかは、いずれ答えが出る。
見城
小さな苦しい努力の積み重ねが、やがて大きな仕事となって結実する。
僕は「この人は」と思う人の「お願い」は、たいてい聞くことにしている。
「お願い」は、こちらが苦しいものでないと意味がない。
藤田
仕事は人間がする以上、気持ちの上での「貸し借り」があります。
ビジネス社会はやはり人間社会です。どこまでも人間的な感情がついてきます。
僕の実感からいって、メディア界や芸能界には「貸し借り」に敏感な人がとても多い。逆に、若手が多いネット業界は鈍い人が多い。
困ったことがあると、自分はチャンスだと思う。頼りになりそうな人に順番にお願いをしたり、相談をしたりして回ってみる。
すると、いろんなことがわかる。同じ相談をされてもその反応は人それぞれだ。頼りになると思っていた人が
随分冷たかったり、ほとんど期待していなかった人が親身になって助けてくれたりする。
そんな経験を通じて自分が思ったのは、人がお願いや相談に来るのは「本当に困っている」からなのだ。
2)無償の行為こそが最大の利益を生み出す
何の報いも期待されず何かを与えられた者は、どう思うだろう?
何としても相手に多くかえしたいと思うに違いない。
そこに人を動かす力の本質がある。
見城
角川書店を退社し、幻冬舎を立ち上げたときは、大変だった。百人が百人とも「あいつはこける」とそう考えていた。
四面楚歌の中、僕は朝日新聞に全面広告をだし、幻冬舎をスタートさせた。
その時そっぽを向いた書き手もたくさんいた。しかし僕からの依頼を快く引き受けてくださった方々もいた。
人間は、苦境にいる時、手を差し伸べてくれた人にことを、何より大切にするものなのだ。
藤田
ネットバブルが崩壊し、苦しいとき、親身になって僕にアドバイスをしてくれたのが、楽天の三木谷社長でした。
こういうことは、人として誠意にかかわる問題だと思います。
僕と堀江貴文さんは、盟友ともいえる関係です。
ライブドア事件後、僕は堀江さんが保釈された日、同じマンションをに住む彼を訪ねました。
それまで堀江さんとは疎遠だった時期がありました。でもあの訪問が僕と堀江さんの「距離」を再び近づけたように思えてなりません。
調子が良いときよりも悪いときに世話になったほうが強く印象に残るものです。
会社の経営が、結局のところビジネス書に書いてあるようにはうまくいかないのは、そこに人の心が関わっているからだと思う。
そんなことは今も昔もあまり変わらないのだろう。
今すぐ利益にならないことでも、それが大切だと思えば行動しておく必要がある。自分の直感を信じることが大切だと思う。
3)天使のようにしたたかに 悪魔のように繊細に
キリスト教の世界観によれば、悪魔とは、堕落した天使のことである。悪魔と天使とは、本質的に同じものなのだ。
私たちもまた、時と場合により、どちらにでもなればよい。
見城
何かをしてもらうと、人は相手に対して恩義を感じる。だから、天使のような振る舞いをするのは実は「したたか」なことなのだ。
このことを自覚するとしないとでは、大きな違いがある。
藤田
2010年、決算賞与を社員一人あたり平均100万円づつ配りました。告知せず、いきなり決算の時に配ったのです。
僕の狙いは、決算賞与を出すことで社員の仕事に向ける最後の粘りを引き出すことでした。
この時僕は、「したたかな天使」になりました。
したたかであったり、計算高かったりすることは必要だと思うが、
長期的に見ると、正直であることや、真摯であることが最も合理的で計算高い行為のような気がする。
お客さんが真剣であればあるほど、結局はすべて見抜かれている。
4)良薬になるな 劇薬になれ
独にも薬にもならない人間には、何も為せない。
そして人は、薬にばかりなりたがる。
しかし、何かを激変させる力があるのは、薬でなく毒のほうだ。
見城
フランスの調香師の話し
「いい匂いを求める争いは、極限まで来ています。これ以上いい匂いの元は、世界中どこを探し回っても見つからない。あとは、どんな悪臭を入れられるか? 一滴の悪臭を入れることで、いい匂いが、今までに無い極上の香りになるんです。今、我々はそのキーとなる悪臭を探す競争をしているのです」
香水における悪臭は、人間にとっての劇薬となる。
藤田
以前きれいごとばかり言う人は、責任感が足りないということをツィッターに書いたら、大きな反響がありました。
きれいごとばかり言う人は、結局、リスクヘッジをしているのだと思う。
きれいごとはつまらない。本音で毒ばかりはいていると生きにくい。
本当にこの世は住みにくいのだが、その中を縫ってでも本音をぶつけてくる人がいる。
とても魅力的だ。
つまらない正論が通ると本当に残念な気持ちになる。
「どうせ100年後には誰もいないんだから・・・」という開き直りが必要だ。
自分が本当に譲れないことははっきり言うしかない。
5)他者への想像力をはぐくむには、恋愛しかない
創造力はすぐ、身に付くものではない。生きる家庭で、徐々に育っていくものだ。これは、仕事人としての成長と、相等しいと言っても過言ではない
見城
人を動かすことが、あらゆる仕事の原点である。そのために必要なものは他者への想像力である。
他者への想像力がある人は、人を惹きつけることができる。気持ちがわかってもらえたと思うと、その人は損得を超えて、相手のためになることをしようとする。
創造力をはぐくむにはどうすればよいか? 恋愛をすることである。
藤田
人を動かすうえで最も重要なのは、相手の立場になることです。
相手の立場がわかると、仕事の幅がぐっと広がるようになるのは間違いありません。僕自身、相手の立場が理解できる世になるたび、経営者として成長した気がします。
あてずっぽうで推し量っても、決して人は動かないのです。
人に対する、創造力という話になると、就職したての会社で人間関係で苦労したことが本当に役に立っている。
就職したばかりの自分は、会社というのはラグビーチームと同じで全員が会社の利益のために全力で立ち向かうものかと思っていた。
そのためかなり、いろんな人とぶつかり苦労したのだが、
そんな時、同期の友人は「人に応じて、対応を変えるのがコツ」というアドバイスをもらった。
それから、周りの人に関心をもつようになった。
そう考えると、人は本当にいろいろな事情を抱えている。
結婚しているかどうか、子供がいるかどうが、家を購入してローンを抱えているかどうか
学生時代に運動部で活躍したかどうかなど・・・
それからは、意見が合わない人に合うと、その人がなぜ「そういう意見を言うのか」という背景を創造し、
相手を理解するチャンスと考えるようになった。
気が合わない人を理解するよう努力すると自分の世界が広がるような気がする。
【おまけ】
最近、世間ではかたづけがブームになっているようだ。
うちでも、妻がかたづけに興味を持って毎日努力している。
少しずつだが、確実に成果が出ているのはとても嬉しい。
今の世の中は選択肢が多い、整理整頓しておくことが必要だと思う。
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