家電量販店のY電気にいってみて少々がっかりしたことは、安売りで有名なイメージのY電気の売り場の横でルイビトンのバックが売られていたことである。
少しでも売上を伸ばすために企業はあれやこれやの努力をするが、節操なく何でもやっているとトータルとしてブランドの価値を落とし、企業のイメージを混乱させるきっかけにもなりかねない。
どのようにブランドをポジショニングし維持発展させていけばいいのか?
この本では的確なポジショニングを相違点連想と類似点連想という言葉で分析している
相違点連想とは明らかに他と違うポイントがあるとイメージさせること
類似点連想とは他社と同レベルであるとイメージさせること
たとえば、ラーメン屋が2件並んでいて、類似点連想としてどちらも同じくらいおいしいラーメンを出しているとすると
相違点連想として一方はチャーシューが異常においしいと思われている場合。
勝敗は明らかである。
本によれば1980年代にBMWがアメリカ市場へ打って出たとき
アメリカの市場では高級車は性能があまりよくなく
性能のよい車は高級感にかけるという状態であった。
そこへBMWは高級車でかつ性能がいいというポジショニングを鮮明に打ち出した。
結果
従来の高級車に対しては、性能面でのアドバンテージを持ち
高性能の車に対しては高級感というアドバンテージを持つことができ
2重の有利な立場をポジショニングにより獲得することができた。
作家の落合信彦氏も同じようなことを行っていた「基本的なことに関して同レベルを維持するそして
そこに他社のまねできないポイントを付加することにより競争優位を獲得する」
大学時代に落合氏の自伝を読み関心したが、企業の基本的な戦略の一つとして重要な考え方だと思う。
時々基本的なことができていないのに、プラスアルファの派手な部分だけを強調し結果あまり上手くいかないケースをよく見るがまさにその通りである。
ラグビーでいえば基礎体力や基本的技術の習得なしにかっこのいいサインプレーばかり練習しているチームに似ている。
【おまけ】
紀元前264年 第一次ポエニ戦役でローマがカルタゴと戦い勝利する。
カルタゴは開戦前海軍力においてローマを圧倒していた。
そこでローマは一隻のカルタゴ船を拿捕し、徹底的に構造を調べ上げカルタゴ軍とまったく同じ船を作り上げた。
さらにその船にプラスしてローマ軍はその船の舳先にカラスという一種の桟橋を設置した。
同じ船にプラスしてローマ軍にとって有利な白兵戦に持ち込むための新兵器カラスを装備したローマ軍はカルタゴを圧倒、第一次ポエニ戦役に勝利した。
ポジショニング戦略のいいお手本である。
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