多数乱戦業界での戦略策定の手順(これまでのまとめ)
手順1 業界の構造はどうか。競争業者はそれぞれどういう位置にいるのか。
手順2 多数乱戦の原因は何か。
手順3 多数乱戦を変えられるか。その方法は?
手順4 多数乱戦を変えて、利益が得られるか? その場合自社はどういう位置にいなければならないか
手順5 多数乱戦がさけられない場合どう対処するのが最善か?
「住宅産業に関して上記の内容を分析してみる。」
【手順1業界の構造分析】
まず、住宅の場合 賃貸住宅と持ち家に分かれる
持ち家はマンションと一戸建てに別れる
一戸建ては建売住宅と注文住宅に分かれる
注文住宅を分析すると現在土地を持っていて建替えをする顧客と新規に土地を取得したうえで建物を注文住宅で建てる顧客に分かれる
注文住宅の市場に参加しているのは中小工務店、中堅パワービルダー、大手住宅メーカーに分かれる
【手順2 多数乱戦の原因は何か】
1)注文住宅の場合、顧客のニーズが多様で、規模の経済の効果が生まれにくい。
2)こだわりの強い顧客ほど大手住宅メーカーのような一般的な住宅より、建築家の設計で小規模の工務店による住宅を好む傾向にあり
3)全国展開や大規模な広告が思ったほど効果がでない
4)現場の種類、土地の状況が多様で仕事の内容を標準化することが難しい。
【手順3 多数乱戦を変えられるか】
多数乱戦を変えるためにフランチャイズのような方法があるが、注文住宅の場合十分に効果を発揮できない
フランチャイズによるプラス面に比べ、その会社それぞれの能力技術に影響が割合として大きいからである。
うちの会社でやっているSE工法のように構造のシステムのみに絞り込んだ緩い結びつきのほうが効果的である
それでも個々の会社の能力が大きく業績を左右することは変えられない
【手順4 変えられるなら利益をだせるか】
根本的に多数乱戦を変えるのは不可能である。
【手順5 ではどう対処するか】
①顧客の種類の絞込み
大手住宅メーカーでは満足できない顧客に絞込み。こだわりの住宅を提供する。
②SE工法に参加しているメリットを十分に活用する。
法律改正などの情報面
ホームページ、広告等の効果
施工のシステムの改善 など
③設計士、材料メーカー、家具職人等の意識の高い人とのネットワークを強化し顧客のこだわりに徹底的に効率的にこたえられる体制をとる
④外注を十分活用し、仕事の内容、量に臨機応変に対応できる状態を作る。
⑤将来的には、年間10棟程度施工するチームを複数かかえ本社機能としてバックアップ体制をとる
十分に実力をつけたチームから順次独立させていく。
独立後も情報交換等協力関係を築く
以上 思いついたことを住宅業界に関し分析してみました。
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