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2011年3月30日水曜日

ファイナンシャルマネジメント1章 問題7

問題7
 
あなたは、自分の会社の労務関係の責任者である。白熱した労使交渉のとき、もっとも大きな組合の書記長が次のように声高に主張している。

「この会社は100億ドルの資産、50億ドルの株主資本を持っていて、昨年は4億ドルの利益を上げている。これは組合員の努力によるところが大きいといえる。


したがって、私たちの賃上げの要求に応じられないとは言わせない」。


あなたならこれにどのように回答するか?



「自分の意見」

100億ドルの資産に対して 4億ドルの利益はわずか4%の利益率である。又、50億ドルの株主資本に対し、4億ドルの利益はわずか8%の利益率である。

リスク及び会社そのものが持っている価値を考えると現在の利益水準は適正範囲であり、組合員の方々の努力ももちろん認めるが、賃上げに値するレベルではない。よって今回の賃上げの要求に対しては応じられない。


「本の回答」

組合の書記長は、会計上の利益と経済的利益を混同している。株式投資の50億ドルに対して利益は4億ドルなのでリターンは8%でしかない。

このリターンは低すぎて、会社の成長に必要な新規の投資も今後も行うには魅力的でない。





「次回の問題」

以下は最近人気のあるレストランチェーンのサムンエラズチキンデライトの財務データの抜粋である。
                 1999年  2000年
    純売上高        104    156
    売上原価         60     82
    減価償却費       20     24
    当期純利益       10     16
    棚卸資産        12     10
    売掛金          20     30
    買掛金          12     18
    純固定資産      160     168

1)2000年にサムンエライズ社が売上高から回収した現金はいくらか?
2)2000年の製造原価はいくらか?
3)2000年には資産の売却も廃棄もおこなっていないと仮定すると、この年の設備投資はいくらか?


「おまけ」

東京電力の株価がえらいことになっている。ほんとうにありえないことが起こっている今日もストップ安をつけるのか注目である。

いづれにしても、損害賠償の金額が膨大になっているので今後、利益を出すことや、株主への配当は社会的に見て許されないだろう。

津波の規模も想定外であったが、経済的な事象もはるかに想定を超えている。

今後は想定を越えることを想定する必要があるのか?

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