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2011年6月30日木曜日

ファイナンシャルマネジメント9章 問題6

【問題】

アナログデバイス(ADI)社は、マサチューセッツ州のノーウッドにある半導体メーカーである。アナログ社と類似した企業5社の情報を使い1985年12月31日時点のADI社の価値を評価せよ。




アナログデバイス社

純売上高(百万ドル)              119.3

発行済み普通株式数              114.5

EBIT(百万ドル)                 163.6
税率                         25%
株主資本の簿価(百万ドル)          656.0
有利子負債の簿価(百万ドル)          82.4

類似公開企業との対比によるアナログデバイス社の評価(1985年12月31日)
             アナログ社  バーブラウ社  リニアテ社  マキシム社  シリコニ社   モトローラ社

類似企業とアナログデバイス
社の比較リスク成長率リターン
  
ROIC          16.6      15.0    25.5    37.9     27.4     12.9
ROE          18.2      16.3     25.5   37.9     26.8     16.1
負債対資産比率(%)34.5      29.0     16.9   22.1     56.6     51.5
5年間の売上高成長 14.3       9.9     32.2   43.1     14.0     20.3

価値の指標

PER                    14.2      25.8     18.7    15.2     18.9

企業の市場価値÷[EBIT×(1-税率)] 16.3     26.6     19.4    18.3   24.2   

株主資本の市場価値÷株主資本    2.3     6.6     7.1     4.1    3.0


企業の市場価値÷企業の簿価(倍)   1.9      5.6      5.7     2.3     2.0

【自分の解答】

ROIC         16.6も安定的な数字と考えられる

ROE          18.2%問題ない数字である、突出したものではない

負債対資産比率   34.5と約3割が負債というのも問題はない、安定経営であるといえる

5年間の売上高成長率 は、14.3%低くはないが突出した数字ではない 安定成長と考えられる


全般的に他者と比べ安定的な会社であるといえる。


【本の解答】

以下は筆者の予想である。

ROE、ROIC、5年間の売上高成長率に関して、アナログデバイス(ADI)社の順位は真ん中であるが、

その数値は平均若干下回っている。


いずれの企業も財務レバレッジはほどほどであり、ADI社も同様である。


ADI社の売上高成長率が平均以下であることは、利益を使った2つの指標が類似企業の平均値よりも幾分低いものになるはずであることを示している。


サンプル企業の平均を5~15%下回るのが適当であろう。


ADI社のROICとROEが平均を幾分下回ることは、残り2つの資産をベースにした指標の値が、やはり類似企業の平均を下回ることになるはずであることを示唆している。


ここでは、サンプル企業の平均を約10%下回るということにした。



以下が筆者が予想するADI社の価値指標である。

PER                     18.0倍

企業の市場価値÷[EBIT×(1-税率)]  19.8倍

株主資本の市場価値÷株主資本の簿価   4.2倍
企業の市場価値÷企業の簿価    3.2倍

各々の指標から導かれるADI社の株価は以下のとおりである。

PER                      18.77ドル
企業の市場価値÷[EBIT×(1-税率)]  20.50ドル
株主資本の市場価値÷株主資本の簿価  24.06ドル


企業の市場価値÷企業の簿価      19.92ドル

筆者によるADI社の1995年末の株価の推定値は20.50ドルであrが実際の株価は24.88ドルであった。つまり、この予想は約18%低かったということになる。



【次回の問題】

ついにこの本の最終問題である。

メイフェアモード社の4年間の予測は次のとおりである。

             2002     2003    2004    2005
フリーキャッシュフロー     -85      -32     62      66

1)2001年末におけるメイフェア者のFMVを推定せよ。2005年以降は、EBITは2億1000万ドルを維持し、減価償却と設備投資は同額で推移し、運転資本の増減はない。WACCは14%で、税率は40%である。

2)発行済株式数が5000万株 、有利子負債の市場価値が3億ドルとして株価を推定せよ。

3)別のターミナルバリューを考える。下記の場合におけるメイフェア社の株価を推定せよ。

   ①2002~2005年のフリーキャッシュフローは上記と同じ

   ②EBITは2005年で2億1000万ドルで、年率4%で永続的に成長sうる。

   ③EBITの永続的な成長を支えるために2006年の設備投資は減価償却費を2000万ドル上回り、

    その増加額は年率4%で永続的に成長しうる。

   ④同様に2006年の運転資本は1000万ドルの増加となり、その増加額は年率4%で永続的に成長する。

4)第3のターミナルバリューを考える。2001年末のメイフェア社の適正な株価を推定せよ。

  ①2002年~2005年のフリーキャッシュフローは上記と同じ。

  ②有利子負債の市場価値は2005年までに一定で3億ドルで有利子負債の利率は10%である。

  ③2005年末にメイフェア社は成熟段階に入り、
   株式は2005年度の純利益の一般的なPERで取引されるとする。この際、PERは24倍を使う。



【おまけ】


ついにファイナンシャルマネジメントも最終問題となった。最後の7章 8章 9章は聞き慣れない内容が多かったので、無理やり通り過ぎてきたというかんじではあるが、



ファイナンシャルマネジメントという本をとりあえず制覇できた。  まだ明日が残っているが・・・

3月の下旬から始めたので、3ケ月以上が過ぎ去ってしまった。少年老い易く学成り難し の言葉が身に染みる。

ファイナンスの内容は経営を考えるうえで避けては通れない課題、しばらく時間をおいて、別の本もしくは、ファイナンシャルマネジメントを別の角度から考えてみたい。




2011年6月29日水曜日

ファイナンシャルマネジメント9章 問題5

【問題】

フラッシュバック社はゼロ成長の企業で、1株あたり100ドルの配当をしている。

株主資本コストは15%である。



新社長はゼロ成長のイメージを嫌い、翌年の配当金を50ドルにし、浮いた資金で企業を買収することを提案した。


新社長はこの戦略が、売上高、利益、資産をそれぞれ増加させると主張した。

さらに買収をして2年後以降は配当金を105ドルにできるとも確信していた。





1)企業買収が、売上高、利益、資産の増加をもたらすという主張に同意するか?

2)新社長が提案を発表する直前のフラッシュバック社の1株当たりの価値を推定せよ。

3)提案発表直後の「1株当たりの価値を推定せよ。

4)フラッシュバック社の株主として、新社長の提案を支持するか否か? その理由は何か?


【自分の解答】

1)場合による、必ずしも、企業買収により一株当たりの利益が増加するという確証はなく、2年目以降105ドルの配当を支払えるとしても、受け取れなかった50ドルの配当を穴埋めするために 10年かかる あまり魅力的であるとは言えない。


2)100ドルの配当で資本コストは15%だから、割り戻して、666ドル

3)105ドルの配当を15%で割り戻すと700 ここから受け取れるはずの50ドルを引いて650ドル

4)支持しない 1)で述べたように、確証の持てない2年目以降の105ドルの配当より、確実な毎年100ドルの配当のほうがより現実的で魅力的であるからである。






【本の解答】

1)いかなる場合においても、ある企業が他の企業を買収すれば、買収企業の売上高と資産は増加する。被買収企業が利益を出しているなら同様に利益も増加する。当然のとこである。

2)提案前の1株当たり株主価値=100ドル÷0.15=666.67ドル

3)提案直後の1株当たり株主価値は=50/(1+0.15)+105/0.15/(1+0.15)2=572.78ドル

4)明らかにフラッシュバック社の株主は、社長の計画に反対すべきである。

計画によって企業規模は大きくなるが、株主価値は破壊される。

つまり、計画が実行されると株価は下落することになる。社長の計画の問題は、株主に対して、


15%の機会費用となる資金を使って、10%の収益率(50ドルの投資に対して5ドルの永続的な追加配当は10%の収益率である)しかないベンチャー事業に投資するということになる。


【次回の問題】

アナログデバイス(ADI)社は、マサチューセッツ州のノーウッドにある半導体メーカーである。アナログ社と類似した企業5社の情報を使い1985年12月31日時点のADI社の価値を評価せよ。


アナログデバイス社

純売上高(百万ドル)              119.3

発行済み普通株式数              114.5

EBIT(百万ドル)                 163.6
税率                         25%
株主資本の簿価(百万ドル)          656.0
有利子負債の簿価(百万ドル)          82.4

類似公開企業との対比いよるアナログデバイス社の評価(1985年12月31日)
             アナログ社  バーブラウ社  リニアテ社  マキシム社  シリコニ社   モトローラ社

類似企業とアナログデバイス
社の比較リスク成長率リターン
  
ROIC          16.6      15.0    25.5    37.9     27.4     12.9
ROE          18.2      16.3     25.5   37.9     26.8     16.1
負債対資産比率(%)34.5      29.0     16.9   22.1     56.6     51.5
5年間の売上高成長 14.3       9.9     32.2   43.1     14.0     20.3

価値の指標

PER                    14.2      25.8     18.7    15.2     18.9

企業の市場価値÷[EBIT×(1-税率)] 16.3     26.6     19.4    18.3   24.2   

株主資本の市場価値÷株主資本    2.3     6.6     7.1     4.1    3.0


企業の市場価値÷企業の簿価(倍)   1.9      5.6      5.7     2.3     2.0


【おまけ】

今年も半分終わろうとしている。半年間はとりあえずブログを書き続けることができた。

IT技術も可能な範囲で取り入れてきた。



ここで壁にぶち当たっているが、現在の『小さな事の積み重ね』を続けるほかない。

このペースで一年いこうと思っている。




2011年6月28日火曜日

ファイナンシャルマネジメント9章 問題4

【問題】

アクワイヤー(A)社2件の企業買収を検討しているが、いづれもエンハンヅメントやエナジー効果の利益はない。


T1社は衰退産業にあって業績は低迷している。PERは10倍である。




T2社は高成長の通信企業で、PERは40倍である。A


社はESPを増加させつ買収に関心を持っている。すべての買収は株式交換で行われる。


1)下表の「?」を数字に置き換えA社がT1社とT2社に支払える最大限の買収プレミアム(%)を計算せよ

                     A       T1    A+T1      T2     A+T2
税引き後利益(百万ドル)      2       1       3       1      3

PER                  30      10              40

株主資本の市場価値        ?      ?              ?

株式数(百万株)           1       1       ?      1       ?

EPS                  2       1        2      1       2

株価                  ?      ?              ?

新規株式最大発行数(百万株)  ?                     ?

新規株式の市場価値(百万ドル) ?                      ?

最大プレミアム                     ?               ?


2)上記1)の解答から、買収を分析する際の判断基準として「EPSの希薄化回避」を採用することがどのような意味をもっていることが分かるか?







【自分の解答】

1)

                     A       T1    A+T1      T2     A+T2
税引き後利益(百万ドル)      2       1       3       1      3

PER                  30      10              40

株主資本の市場価値        60      10              40

株式数(百万株)           1       1       2      1       2

EPS                  2       1        2      1       2

株価                  30      10              40

新規株式最大発行数(百万株)  ?                     ?

新規株式の市場価値(百万ドル) 30                     40

最大プレミアム                     ?               ?


2)株式の希薄化を回避することにより、現在の株主の会社経営に対する影響力を維持することが可能になる。









【本の解答】


1)

                     A       T1    A+T1      T2     A+T2
税引き後利益(百万ドル)      2       1       3       1      3

PER                  30      10              40

株主資本の市場価値        60      10              40

株式数(百万株)           1       1       1.5     1       1.5

EPS                  2       1        2      1       2

株価                  60      10              40

新規株式最大発行数(百万株)  0.5                     0.5

新規株式の市場価値(百万ドル) 30                     30

最大プレミアム                     200%            -25%





2)この問題はEPSの希薄化や増加を気にすると、なぜ近視眼的になるかを示している。A社はT1社の買収には莫大なプレミアムを支払おうとしているが、T2社の買収は考慮しようともしないであろう。、しかしT2社は将来性という点では興味深い企業である。








【次回の問題】

フラッシュバック者はゼロ成長の企業で、1株あたり100ドルの配当をしている。

株主資本コストは15%である。

新社長はゼロ成長のイメージを嫌い、翌年の配当金を50ドルにし、浮いた資金で企業を買収することを提案した。


新社長はこの戦略が、売上高、利益、資産をそれぞれ増加させると主張した。

さらに買収をして2年後以降は配当金を105ドルにできるとも確信していた。





1)企業買収が、売上高、利益、資産の増加をもたらすという主張に同意するか?

2)新社長が提案を発表する直前のフラッシュバック社の1株当たりの価値を推定せよ。

3)提案発表直後の「1株当たりの価値を推定せよ。

4)フラッシュバック社の株主として、新社長の提案を支持するか否か? その理由は何か?


【おまけ】

ブログを書いたり、フェイスブックに記事を投稿したり、とうことを毎日のようにやっていると、さすがにネタが切れてくることがある。



もはや、何を見ても、ネタにならないか探している自分がいる。

そう考えると、芸能人の忙しい人たちがあれだけ面白いことを発信し続けられることは、不思議に思ってしまう。


面白そうな話を聞いても、記憶にたよっていると、具体的な部分、詳細な部分がぼやけてしまい、面白い話にならない。



先日も、現場で上棟があり、そのあと上棟式のような形で、皆で簡単な宴会をやったのだが、まあまあ面白い話なのだったのだが、

いざそれを文章にしようとおもってもなかなか上手くいかない。

この際だから、ボイスレコーダーでも携帯しようかなどと思っている。