【問題】
あなたの会社は非常に将来有望なあるインタネット企業の買収を検討している。
一人の経営幹部が、そのインタ-ネット企業は現在損失を出しているので買収すると自社のROEを下げるとして、買収に反対している。
1)ROEが下がると考えている経営幹部は正しいか?
2)この意思決定においてROEの変化はどのくらい重要性を持つと考えるべきか?
【自分の解答】
1)ROEは下がることで間違いない、現在の資産で買収するにしても、借入金で買収するにしても、増資により買収するにしても
いづれにしても、現在そのIT企業は損失をだしているのでその損失の分だけ利益を押し下げるので、ROEは下がる。
2)この企業がインターネット企業を買収するのはROEを上げることが目的ではないのは確かである。
又、問題は直近でのROEの減少がどの程度この企業の業績に影響を与えるかということである。
株式市場において、ROEの直近での減少が大きく株価を下げる要因となりうるなら。今後の資金調達のめんからも大きく問題がある。
しかしこのような想定はほとんどありえないと思われる。
買収を決定する要因としては、この買収により現在の本業がより有利になり将来の発展によい影響を与えるかどうか、
このIT企業の買収によって管理面での問題は発生しないかどうかを検討すべきである。
将来的に有望だからというだけで買収することによって本業に悪い影響が出るようであれば買収すべきでない。
今回の場合財務面のみの検討でいいので、将来有望であることが間違いないのであれば買収を大いに有効であると思われる。
【本の解答】
1)ROEは間違いなく低下する。被買収企業が損失を出しているので、ROEの分子である純利益が減少するからである。
2)しかし、事実はこの意思決定にはそれほど重要ではない。またこれもタイミングの問題の一つである。このインターネット企業が非常に有望であれば、現在、この企業が損失を出していても、買収は非常に合理的であるかもしれない。買収計画を適切に評価するには、買収する企業の将来の業績に関して時間的価値を調整した評価指標を計算するべきである。
【次回の問題】
会社び財務を検証する各種の比率の中で、投資家にとって株式のリスクを考えるにあたってもっとも有効な指標は何か?
【おまけ】
福島の原発について、汚染水の経路を特定し、汚染水が漏れないための対策を早速とるそうだ。
ずっとマイナスの情報が出てきた中でやっと明るいニュースである。
まだまだ問題は根本解決には至っていないが、これをきっかけに状況が改善することを願うばかりである。
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