与えられたデータに基づき以下の問いに答えよ
A社 B社
EBIT 150 280
支払利息 10 80
税引き前利益 140 200
法人税等(税率40% 56 80
税引き後利益 84 120
負債 100 800
株主資本 400 200
1)それぞれの会社のROE、ROA、ROICを計算せよ。
2)なぜB社のROEはA社に比べ、著しく高いのか。
これはB社が優良企業であることになるか?なぜそうなのか?あるいはそうならないのか?
3)A社のROAは何故B社より高いのか?このことから両者について何がわかるのか?
4)二つの会社のROICを比較すると、これらの会社についてなにがいえるのか?
【自分の解答】
1)
ROE=当期純利益/株主資本
ROA=当期純利益/資産合計
ROIC=〔EBIT×(1-税率)〕/(有利子負債+株主資本) ※EBIT 利息支払前税引前利益
A社 ROE=84/400=0.21
ROA=84/(400+100)=0.168
ROIC=〔150×(1-0.4)〕/(100+400)=0.18
B社 ROE=120/200=0.6
ROA=120/(200+800)=0.12
ROIC=〔280×(1-0.4)〕/(800+200)=0.168
2)B社のROEがA社に比べて高いのは借入金を有効に利用しているからである。
借入金がを多くできるということは利益率の安定性が高いということが予想される。
そういう意味でB社は優良企業である。
しかし、総資産に対する借入金の割合が大きいので、金利の上昇に弱いそういう意味では、不安定な企業といえる。
3)ROAが高いということは、売上の利益率が高いか、回転率が高いかであるので、単純に比較するとA社の方が安定した企業ということができる。
4)ROICとは、借入金がない場合のROAであるから、ROICが高いというのは、利益率が高いということ。
A社はROICが高いので利益率の高い優良企業ということがいえる。
【本の解答】
1) A社 B社
ROE 21.0 60.0
ROA 16.8 12.0
ROIC 18.0 16.8
2)B社はA社に比べて、著しく財務レバレッジが高い。A社の負債対資産比率が20%で、B社は80%である。ROEが高くなるのは、財務レバレッジの当然の結果である。
3)これもB社の財務レバレッジのほうが高いことによるものである。ROAは、株主資本に算入できる純利益を株主及び債権者から調達された資本と比較しているため、レバレッジの高い企業ほど低くなる。
4)ROICでは、資金調達における戦略の違いを取り除いており、2社の資産の収益力を直接比較できる。この指標においては、A社の業績のほうが優れている。しかし、結論を導き出す前に、2つの企業が直面している事業リスクをいかに比較するか。そしてこの比率が長期的な能力を反映しているのか。一時的な現象なのかを考えてみる必要が重要である。
【次回の問題】
第3章の図表1は、R&Eプライズ社の1996年から1999年の財務諸表を表している。
1)これらの財務諸表をつかって、図表2.5にある比率をできるだけ多く計算せよ。
2)R&Eサプライズ社の財務業績について、これらの比率からどのような洞察をうることができるか?増車は、どのような問題を抱えていると考えられるか?
第3章の図表1
図表2.5
【おまけ】
被災地の報道が、救援物資の調達の話から、失業の問題、就職の問題へと移ってきた。
津波により、工場及び機械類を壊されてしまった中小企業の経営者達はそれまでの負債の上に津波による損害によって、企業を再建する気力がそがれているようだった。
一方、被災したひとの中には工場がなくなり、そのため解雇され働きたくても働けないという問題が出てきている。
義援金の分配について問題になっているが。
重点的に助けるべきは雇用を生み出す中小企業経営者ではないだろうか?
義援金で基金をつくり、職場を再生する中小企業に無利息、で長期的に優先的な融資はできないものだろうか?
瓦礫の撤去の仕事は人手不足のようなので、かなりの人に職業をしばらくの間であるが与えることができることは不幸中の幸いである。
やはり、収入がもっとも基本になると思われる。
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