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2011年7月25日月曜日

もしドラッカーの『マネジメント』をもしどらの分析を通じて考察したら 第六章③

「もしドラ」6章で引用されているドラッカーの「マネジメント」の内容に関して考察します。



「マネジメントの正統性」






「マネジメントを行うに当たっての正義がどこにあるのか?なぜ、マネジメントをしても構わないのか
究極の答えが、


成果を上げるということそして 成果を上げること=組織の目的


=人を生かすこと= 人が満足して働くこと 自己実現を果たすことにつながる


ドラッカーの主張は徹頭徹尾この思想で貫かれている。


経営者は、成果を上げることができなくなったとき、機会に挑戦することができなくなったとき、任された資源に期待されている結果を出すことができなくなったとき。


正統性を失う つまり 後進に道を譲らなければならない。」



社会においてリーダー的な階層にあるということは、本体の機能を果たすだけでは済まないということである。

本来の成果を上げるだけでは不十分である。

正統性が要求される。社会から正しいものとしてその存在を是認されなければならない。

「人の強みを生産的なものすること」である。

「個人の強みは社会のためになる」である。これが、マネジメントの根拠である。









「任せる、マネジメントチームに加える 人事の問題」




「組織において金銭的な報酬よりも、人事の方が大きな影響を与えるとドラッカーは言う。


まかせること、担当を与えることが行動を変えることになる。失敗を恐れずに大胆な人事を行うことが


大胆な改革には必要なのだ。


人間は任されればやる気を出す。 これもドラッカーのマネジメントの前提である。


しかし、日本人の場合特にその傾向が強いと思う




小説の中で、みなみは、二階正義に大胆に仕事をまかせ、そのことについていちいちケチをつけるのではなく可能が限りその実現を手助けしようとした。 理想的な上司と部下の関係だ」



組織というものは、問題でなく、機会に目を向けることによって、その精神を高く維持することができる。組織は機会にエネルギーを集中するとき、興奮、挑戦、満足感に満ちる。



成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇進、降給、解雇など人事に関わる意思決定こそ、最大の管理手段であることを認識する必要がある。

それらの意思決定は、人間行動に対して、数字や報告よりもはるかに影響をあたえる、組織のなかの人間に対して、マネジメントが本当に欲し、重視し、報いようとしているものが何なのかを知らせる。



「最適な規模」

「会社は大きければいいのか?との問いにドラッカーはまたしても成果を出すという内容で答える。


つまり、成果を出す。その企業の使命を効果的に果たすことのできる規模こそが、最適規模なのだ。


大きいことが正しいとか、小さいことが正しいとかではない。


あくまでも、社会に対する貢献を最大限にすることを考えることで、規模が決まってくる。」





小さな組織は、大きな組織にはできないことができる。

小さな組織は、小さいだけでなく単純である。

反応が速く機敏である。資源を重点的に投入できる。

一人の人間が本当によく知ることのできる人間の数は最大限12人から15人である。

多くの企業は適切な規模を知らない。

規模にふさわしい戦略や構造については、さらに知らない。

事実、成果と業績に関係ない分野で、コストのかかるスタッフをかかえている小企業は多い。

あまり意味のない活動製品市場に自らの資源を投入している中企業も多い。

トップマネジメントが自社を幸せな一家として錯覚している大企業も多い。

企業は自らの規模を知らなければならない。

同時にその規模が適切か不適切かを知らなければならない。







「自己管理目標」


「理想的な組織とは、それぞれの構成員が、企業の理念、定義、目標と自らバランスをとって自己目標を掲げ、


その目標に対して、自分で自らの行動を管理するとうことになると思う。


強い組織は自然そうなる。当然、必要な連絡も伝達されるようになる。最小限の打ち合わせで最大限の効果を発揮できるようになる。


マネジメントの業務はそのような状態をできるだけ維持し、問題があれば直ちにそれを修復するという機能のみに限定される。


ピラミッドでなくアメーバーのような組織が理想だ。だがそのためには各構成員に高い素養が求められる。


小説では、野球部を中心に大会を前にして、学校全体が盛り上がってくる。まさに勝てる集団になりつつあるときは勢いがある。






自己管理による目標管理は、人間というものが、責任、貢献、成果を欲する存在であることを前提とする。


大胆案前提であろう。

しかしわれわれは、人間というものがほぼ期待通りに行動することを知っている。

自己管理による目標管理こそ、マネジメントの哲学たるべきものである。

情報は彼らに伝えるべきであって上司に伝えるべきではない。

情報は自己管理のための道具であって、上司が部下を管理するための道具ではない。






【おまけ】

かねてから、アメーバー型の組織が理想的だと思っている。

しかし大抵の組織はほっておくとピラミッド型になり、階層的になって、




その中で
出世競争が行われ

成果でなく、内部政治の上手な人が組織の階段を上るようになり、

結果的に機能不全を起こし始める。

組織が健全な状態を保つためには、市場が適度に競争的であることと、

企業のトップが定期的に大胆な破壊を行うことが必要であるとおもわれる。

そういう意味でも、今の日本の社会は機能不全に陥っているように見える。

もっと、外国と適切な競争をし、内部の組織に関しても思い切った破壊をしない限り

この閉塞感は打ち破れそうにない。

1 件のコメント:

  1. 記事が日増しに重厚になっているような気がします。
    +1させていただきまーす。

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