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2011年6月29日水曜日

ファイナンシャルマネジメント9章 問題5

【問題】

フラッシュバック社はゼロ成長の企業で、1株あたり100ドルの配当をしている。

株主資本コストは15%である。



新社長はゼロ成長のイメージを嫌い、翌年の配当金を50ドルにし、浮いた資金で企業を買収することを提案した。


新社長はこの戦略が、売上高、利益、資産をそれぞれ増加させると主張した。

さらに買収をして2年後以降は配当金を105ドルにできるとも確信していた。





1)企業買収が、売上高、利益、資産の増加をもたらすという主張に同意するか?

2)新社長が提案を発表する直前のフラッシュバック社の1株当たりの価値を推定せよ。

3)提案発表直後の「1株当たりの価値を推定せよ。

4)フラッシュバック社の株主として、新社長の提案を支持するか否か? その理由は何か?


【自分の解答】

1)場合による、必ずしも、企業買収により一株当たりの利益が増加するという確証はなく、2年目以降105ドルの配当を支払えるとしても、受け取れなかった50ドルの配当を穴埋めするために 10年かかる あまり魅力的であるとは言えない。


2)100ドルの配当で資本コストは15%だから、割り戻して、666ドル

3)105ドルの配当を15%で割り戻すと700 ここから受け取れるはずの50ドルを引いて650ドル

4)支持しない 1)で述べたように、確証の持てない2年目以降の105ドルの配当より、確実な毎年100ドルの配当のほうがより現実的で魅力的であるからである。






【本の解答】

1)いかなる場合においても、ある企業が他の企業を買収すれば、買収企業の売上高と資産は増加する。被買収企業が利益を出しているなら同様に利益も増加する。当然のとこである。

2)提案前の1株当たり株主価値=100ドル÷0.15=666.67ドル

3)提案直後の1株当たり株主価値は=50/(1+0.15)+105/0.15/(1+0.15)2=572.78ドル

4)明らかにフラッシュバック社の株主は、社長の計画に反対すべきである。

計画によって企業規模は大きくなるが、株主価値は破壊される。

つまり、計画が実行されると株価は下落することになる。社長の計画の問題は、株主に対して、


15%の機会費用となる資金を使って、10%の収益率(50ドルの投資に対して5ドルの永続的な追加配当は10%の収益率である)しかないベンチャー事業に投資するということになる。


【次回の問題】

アナログデバイス(ADI)社は、マサチューセッツ州のノーウッドにある半導体メーカーである。アナログ社と類似した企業5社の情報を使い1985年12月31日時点のADI社の価値を評価せよ。


アナログデバイス社

純売上高(百万ドル)              119.3

発行済み普通株式数              114.5

EBIT(百万ドル)                 163.6
税率                         25%
株主資本の簿価(百万ドル)          656.0
有利子負債の簿価(百万ドル)          82.4

類似公開企業との対比いよるアナログデバイス社の評価(1985年12月31日)
             アナログ社  バーブラウ社  リニアテ社  マキシム社  シリコニ社   モトローラ社

類似企業とアナログデバイス
社の比較リスク成長率リターン
  
ROIC          16.6      15.0    25.5    37.9     27.4     12.9
ROE          18.2      16.3     25.5   37.9     26.8     16.1
負債対資産比率(%)34.5      29.0     16.9   22.1     56.6     51.5
5年間の売上高成長 14.3       9.9     32.2   43.1     14.0     20.3

価値の指標

PER                    14.2      25.8     18.7    15.2     18.9

企業の市場価値÷[EBIT×(1-税率)] 16.3     26.6     19.4    18.3   24.2   

株主資本の市場価値÷株主資本    2.3     6.6     7.1     4.1    3.0


企業の市場価値÷企業の簿価(倍)   1.9      5.6      5.7     2.3     2.0


【おまけ】

今年も半分終わろうとしている。半年間はとりあえずブログを書き続けることができた。

IT技術も可能な範囲で取り入れてきた。



ここで壁にぶち当たっているが、現在の『小さな事の積み重ね』を続けるほかない。

このペースで一年いこうと思っている。




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